![]() |
商品情報
|
民主党のケリー・キルキャノン新大統領が控訴院のキャロライン・マスターズ判事を最高裁長官に任命したとき、大統領には戦いに巻き込まれる予感があった。野党の党首は、政敵であり共和党多数派リーダーで、精神的にも政治的にもキリスト教右派をよりどころとするマクドナルド・ゲイジである。その一派のマスターズへの不信は、両親に不幸な妊娠の中絶を認めてもらえないティーンエイジャーの訴訟が政治的緊張を呼び、マスターズがその審理にあたるときでさえ、変わらない。ゲイジほど無節操ではないが、彼に劣らず頑固なのが共和党のチャド・パーマー上院議員で、マスターズ同様、彼にも、政治生命を絶たれかねない秘密がある。
マスターズという人物はなかなか興味深い。立法化されたばかりの生命保護法の合憲性に均衡を破る一票を投じたために、彼女は裁判官としての高潔さと私生活の秘密、政治的野心、といったものの間で葛藤する。若いメアリ・アン・ティアニーの将来が危ういだけではない。全女性の生む権利や司法システムの柔軟性も、市民の知る権利やメディアの表現する権利を保護した憲法修正第1条の犠牲になる可能性があるという点で、無邪気な見物人の私生活までもが脅かされている。
世論という法廷から連邦裁判所、サンフランシスコから首都までの急速な場面展開によって、パタースンは魅力に富んだ物語を書きすすめ、マリオ・クオモ前ニューヨーク州知事やバーバラ・ボクサー上院議員、アラン・ダーショウィッツなど、政界、法曹界の有名人からも絶賛された。だからといって敬遠しないでほしい。『Advise and Consent』(映画邦題『野望の系列』)の現代版ともいえるこの作品は、パタースンの従来のサスペンスをベストセラーにした読者はもちろん、熱狂的な政治ファンも共鳴するに違いない刺激的な読み物だ。
アマゾンコム(Amazon)のASINでの商品情報を横断表示 / #もの書きWiki - 書店 / キーワード一覧 - 書店 / 電網工房・匠