筒井版 悪魔の辞典

Cover image : 筒井版  悪魔の辞典

商品情報

ASIN
4062115506
発売日
2002-10-09
Amazon.co.jp(Japan)の商品情報
筒井版 悪魔の辞典
EAN
9784062115506
ページ数
491ページ
制作者
Ambrose Bierce
アンブローズビアス
筒井康隆
商品種別 ( Product Group )
Book - 単行本
レーベル ( Label )
講談社

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   本書は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したアメリカのジャーナリスト、アンブローズ・ビアス(1842-1913)が、1881年から1906年までの間に新聞・雑誌に発表した箴言(しんげん)や警句を、辞書形式にまとめた文明批判の書である。過去の翻訳書が「ほんの少しのところで笑いに結びついていない」ことに歯がゆさを感じていたという筒井康隆が、1000あまりの単語が並ぶ原書を9年の歳月をかけて訳出。詩や歴史の引用、ことわざから聖書の一節のパロディまで、さまざまな表現を使って繰り出す、辛辣で毒のきいたビアスの世界を見事によみがえらせている。

   かつて、芥川龍之介がその技巧を称賛した、短編小説の名手でもあるビアスの筆は、あらゆる物事の虚飾をはぎ取り、真の姿をさらけだす、まさに悪魔の筆である。その手にかかると、「弁護士」は「法律の抜け道を見つける熟練者」となり、「大臣」は「権限は大きく、責任は軽い役人」、「平和」は「ふたつの戦争の間にある、だましあいの時期」となる。「生命」にいたっては「肉体が腐らないよう保存している精神の漬け汁」と定義されてしまう。

   ビアスの糾弾は、急速な工業化と経済発展を遂げていく南北戦争後のアメリカで、数々の不正や腐敗がはびこった「金メッキ時代」に向けられていた。にもかかわらず、その批判は現代社会に通じるものが多い。筒井の訳は、そんなビアスの文章に秘められた普遍性とおかしみを、平易な訳文と丹念な注釈をつけることで十分に引き出している。日米を代表する諷刺(ふうし)作家のコラボレーションともいえる本書は、筒井が語る「上質の諷刺は時代では風化しない」(『笑犬楼の知恵』より)という言葉をはっきりと証明するものである。(中島正敏)

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